第10章

「おせっかいは余計だ。さもないと、お前もまとめて片付けてやる!」金髪の男は新たに現れた人物が一筋縄ではいかないと見るや、語気を和らげたものの、それでも脅しの調子を崩さなかった。

「大丈夫か?」閻魔の仮面の男は金髪の男の威嚇など無視し、ゆっくりと島宮奈々未の前に歩み寄ると、見下ろすような姿勢で彼女を見つめ、低く冷たい声で言った。

気遣いの言葉のはずなのに、彼の口から発せられると、抗いがたい威圧感を帯びていた。

島宮奈々未は首を横に振り、自分は大丈夫だと示したが、緊張で強張った体が彼女の内心の不安を露呈していた。

「彼女たちを放せ」閻魔の仮面の男は顔を向け直すと、金髪の男を見据え、静かな...

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